洗体戦隊

クソ大学生の日々の日記

akaba

俺は深夜に散歩にいく。赤羽まで。これはもう日常になっている。赤羽には美学がある。堕落の美学が。赤羽にはダメな人間が多い気がする。都内でも数少ない早朝から開店している居酒屋が何店もあるし、キナくさい違法スレスレのような風俗もかなりある。事実として赤羽には奇人変人が多い。奇人変人を題材とした漫画もあるくらいだ。この漫画は赤羽ではワンピースより売れているらしい。山田孝之主演でドラマ化もされた。そんな街だからこそ、こんな俺でも受け入れてくれるような感じがしてちょくちょくと用もないのに行ってしまう。

 

赤羽までの道すがら歩道にて一匹にヒキガエルを発見した。何やらぽつねんと所在なさげにしている。いやこれが常備運転か。

 

そんなこんなで20分ほど歩き赤羽に到着。繁華街に向かう。皆が楽しそうで、不幸な面を引っ提げているのはこの世に俺だけなのではないかと錯覚してしまいそうになる。俺も本来ならばああやって会社の同期と酒を飲めるはずだった。いや、やめよう。考えるのは。いくら考えって無駄なのだから。

 

なにやら暗い気持ちになったので帰ることにする。帰り道、さっきのヒキガエルが自転車にひかれてぺしゃんこになっていた。臓腑が飛び出て見るに堪えない。さっきまで確かに生きていたものが、今はもうただの肉塊になっている。いや人間だって同じだ。俺もいつこのヒキガエルのように死ぬかわからない。ならば、過去を悔やんでないで今を精一杯生きよう。

 

          

           だから俺は小説を書くことにしたんだ