洗体戦隊

クソ大学生の日々の日記

ゆめにっき

今限りなく社会人に近い学生をしてるんで、スーパーの掃除のバイトをしてるんです。鮮魚コーナーの掃除ね。鮮魚コーナーはガラス張りになっていて中からも外からも見えるんですね。つまり僕のほうからもお客さんのほうからも丸見えなんです。

だからひそかの作業をしつつもお客さんのことを観察するのが最近のマイブームなんですね。いろいろな人がいますからね。お客さんには。

目的がある人ない人。帰る場所がある人ない人。恋人がいる人いない人。幸福な人不幸な人。僕は掃除をしながらそういった人々を何十人、何百人、何千人と見てきました。

その中で僕が一番印象に残っているのはメイドのコスプレをしたおっさんでしたね。来るんですよ。毎日。メイド服で。丈の短い、というか太ももくらいまでの短いスカートのメイド服です。萌えアニメとかに出てきそうな感じの。四十代前半くらいの細身のおっさんでしたね。

パッと見は全然普通ですよ。普通のおっさん。係長とかそのぐらいの年相応の役職についてそうな感じですかね。

だから今日はちょっとそのおっさんがなぜメイド服を着ようと思ったかを考えてみようと思います。

 

 

 

 

 

俺は山田。山田洋二。四十歳。独身だ。そこらへんにいるしがない中年サラリーマンさ。そうだなあ。強いて言うなら趣味がちょっと特殊かもな。俺。え?どんな趣味かって?おいおい。言ったろう?特殊だって。おいそれと言えるもんじゃないんだよ。そんな顔するなよ。わかったよ。教えるよ。

いいか?よく聞けよ。俺の趣味は「メイド服を着て出歩くこと」だ。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~三年前~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

降りしきる雨を浴びながら俺は歩く。自分が今どこにいるのか皆目見当がつかない。一体どれほどを歩いたのだろう。

行きつけのメイド喫茶を出禁になった。理由はキモイから。俺は毎日通っていたのに。あんまりだ。こんな仕打ちってありかよ。今までいくらつぎ込んだっていうんだ。うん百万はくだらないぞ。

俺はただ癒されたかっただけなんだ。可愛いメイドさんに。なのになぜ。仕事を終わりにメイド喫茶にいってお気に入りのメイド、ノア。あるいはモナとおしゃべりしながら三千円の特性オムライスと四千円の特性プリンを食べることが唯一の生きがいだったのに。

萌え萌えじゃんけんも楽しかったなあ。ステージも最高だったなあ。ああ。一回二千円のチェキも取りたいなあ。もう無理なのか。ノアとモナに会いたいなあ。くっそう。あいつらにモテたいからバカみたいに金をつぎ込んだのに。

 

明日からは違うメイド喫茶にいくか。いや、きっとまた出禁になるだろう。堂々巡りに決まってる。ならいっその俺が俺のためにメイドをやればどうだろうか。俺が俺のためにメイドをやる。自分自身に癒される。決して裏切られることはない。そうだ。そうしよう。俺が俺のためにメイドをやろう。

俺は降りしきる雨の中メイド服を探しにドンキに向かった。

 

 

 

 

 

 

こんな感じ理由ですかね。全然違うと思うけど。はは。