洗体戦隊

クソ大学生の日々の日記

めたふぁー

カツカツカツカツ。コツコツコツコツ。高いハイヒールを履いたモデル風の女が歩いている。東京のどこかの地下道だろうか。壁、床、天井、すべてが目が痛くなるほどの白い大理石でできている。カツカツカツカツ。コツコツコツコツ。女は迷いなく歩いている。僕はその女の足音を同じ地下空洞の中で聞いている。僕は今どこかの部屋にいる。気が付いたらこの部屋にいた。

広さは二十畳くらい。全面畳で所狭しと老人たちがお喋りに華を咲かしている。カツカツカツカツ。コツコツコツコツ。女の足音が近づいてきた。僕は女の存在を忘れようと老人たちの話に加わる。

将棋なら僕けっこう得意ですよ。盆栽好きです。今度ゲートボール誘ってくださいよ。カツカツカツカツ。コツコツコツコツ。女の足音がこの部屋の前で止まった。ドンドンドンドン。女が部屋のドアを力いっぱい叩く。ドンドンドンドン。

僕は無視して老人たちと話している。ドンドンドンドン。相も変わらず女は部屋を叩き続ける。

さてこれは全てメタファーです。比喩なんです。いえ、これだけではありません。この世界は全てメタファーなんです。想像してください。あなたが何のメタファーなのかを。