洗体戦隊

クソ大学生の日々の日記

悪い奴ほど眠れない

僕の所有している目覚まし時計はひどくうるさい。何デシヘルとかは全くわからないが完全に騒音レベルに達している。毎朝毎朝けたたたましい。この目覚まし時計ほど空気を読めない奴を僕は見たことがない。最もそれが目覚まし時計の仕事なのだけれど。

 

以前、間違った時間にアラームをセットしてしまったらしく僕の留守中に目覚まし時計が鳴り響いたことがあった。僕の目覚まし時計は停止ボタンを押さないと止まらない仕組みで、僕が帰宅するとまだけたたましく鳴り響いていて、隣近所の住人が部屋の前に数人が待ち構えており口々に「てめえ!早く止めろ!殺すぞ!おらあ!!」と物凄い剣幕で怒鳴りつけられた。

 

それ以来、彼らとの間には剣吞とした空気が絶えず流れており、廊下ですれ違っても挨拶も返してくれないし舌打ちさえしてくる始末。僕は風呂に入っている時や、眠っている時、飯を食っている時、あらゆる時に彼らがまた怒鳴り込んでくるんじゃないかとう妄想に取りつかれてしまっていた。いわゆるフラッシュバックというやつだ。オナニーだって全くできなかった。彼らの顔がどうしてもよぎり全く起たなくなってしまっていた。そして、僕は確実性をもって二度とあのような目に合わないようにということで外出するときは目覚まし時計の電池を抜くことにしてた。

 

それでも不安は尽きず、外出先でも、あれ電池抜いたっけ?と気になるといてもたってもいられなくなりわざわざ部屋に戻ってしまう。日に何度も戻ってきてしまう始末。日常生活に生活に甚大な支障をきたしており、ほとんど強迫神経症のようなものになってしまっていた。

 

そして僕は最終的にはベッドではなく床で寝ることにした。固くて朝起きると節々が痛くて深い極まりないがこれで目覚まし時計なしでも起きられる。僕は目覚まし時計を打ち捨てることにした。しかし惨めな気分だった。横にはふかふかのベッドが鎮座してあるというのに床で眠ることになるなんて。

 

生活をよりよくするための文明の利器である目覚まし時計のせいでベッドで安らかに眠ることができなくなるとは。昨今、ロボットやらAIやらが頻りに取りざたされているけるけど、いずれはあれらも僕らの首を絞めることになるんじゃないんだろうか。ターミネーターのような世界はあながち間違っていないような気がする。

 

進みすぎた文明は返って僕らに害をもたらすのだ。けれど僕は必ず有効な手立てを見つけて安らかにベッドで眠る。僕は何があっても諦めない。僕はベッドに静かに言い放った。「I'll be back」