洗体戦隊

クソ大学生の日々の日記

人生において

最近隣の部屋から女の喘ぎ声がうるさい。毎晩毎晩大音量の艶っぽい声が響いてくる。正直羨ましくて仕方がない。僕なんてここ三年は女体に触れていない。というか女とまともに話していない。

 

羨ましくて、悔しくて力の限り握りしめた拳の内側から血が一滴また一滴と零れ落ちていた。血が雨だれの滴となって零れ落ちていく。僕はこのことを一生忘れないだろう。しかし隣の奴は決してイケメンではない。

 

イケメンではないどころかもったりした奴だ。なんであんな奴が毎晩ヤッて、僕はそれをオカズに毎晩自分で慰めなければならないんだろう。世の不条理を嘆く。

 

それでも体は正直だ。僕は悔しくてたまらないのに、隣から聞こえてくる喘ぎ声を聞くと僕の僕はこれでもかと膨張する。体が無意識に壁に耳をぴったりと付け、鮮明に音を聞こうとする。

 

こんな生活から早く抜け出したい。そう思い部屋を弾丸のように飛び出した。外に出てふと隣の部屋を覗くと例のもったりとした男がパソコンで大音量でAVを食い入るように見ていた。女の喘ぎ声はAVだった。僕は虚像に振り回されていたのだ。

 

結局のところ隣の奴も僕と同じ穴のムジナだった。この日を境に僕と隣の奴は親しくなった。お気に入りのAVを貸し借りするようにもなった。こうして輪をかけるようにますます女と無縁の生活になった。それでも心は満たされていた。仲間ができたから。