洗体戦隊

クソ大学生の日々の日記

仕事を終え家に帰ると母親がキッチンで料理をしていた。まな板の上で大根を子気味良く切っていく後ろ姿に「ただいま」と声をかけた。母親が振り向きざまに「おかえり」と言うと同時に思い切りスナップをきかせ包丁をぶん投げてきた。間一髪でかわす。包丁は俺の後ろの壁に深々と突き刺さった。全身から嫌な汗が噴き出す。暫しのショックから立ち直ると「な、なにすんだよ!」と怒鳴る。母親を見ると顔は土気色で目は真っ赤に充血し口からは泡を吹いている。明らかに正常ではない。さらにブツブツと何か呟いている。聞くと支離滅裂だ。「おちんちんぴろんぴろんお前のせいで産むんじゃんかった日経平均株価ベンチャーサポートモンスターストライクモンスト速報モンスト速報はーい今週のサザエさんはじゃんけんぽんっ」一体なぜ母親は狂ったのか。何が母親を狂わせたのか。俺にはわかっていた。家庭内暴力だ。俺は常日頃から少しでも気に入らないことがあると母親の暴力を振るっていた。殴る蹴るは当たり前。何度も骨折をさせた。父親はいない一人っ子なので止める人間はいなかった。日々の暴力で狂った母親。まあ少し前から兆候はあった。母親が再び包丁を握る。今度は投げるのではなく切っ先を俺の方に向け飛びかかってきた。俺にできることは一つだけだ。いつものように。全力でぶん殴る!俺は包丁をかわし母親のわきに拳を叩き込む。