洗体戦隊

クソ大学生の日々の日記

ホームにて

俺は閑散とした駅のホームで吐いていた。吐きに吐いていた。さっきまで仲間と飲んでいて、その飲み会でしこたま酒を飲んだからだった。俺の目の前には俺が吐き出した吐瀉物がこれでもかと広がっていて、酸っぱい臭いを辺りにまき散らしている。また吐き気が襲ってきて再び吐いた。地面に跪いてぜえぜえやっているといきなり誰かが背中をさすった。顔を向けると爽やかで柔和な顔をした若い男だった。『随分苦しそうで見てられなくて』と男は言ってきた。俺はいきなりのことで少々驚きながらも確かにさすられるとかなり楽になったので『どうも、すいません。ありがとう』と返した。『いえいえ、困った時はお互い様ですよ』と男はにこやかに返してきた。そして男はペットボトルを差し出してきた。『良かったらどうぞ』と男は言った。ありがたくもらうことにした。酩酊した体に水は心地よかった。音を立てて飲んだ。『本当にありがとうございます』と俺は言った。そこでふと時計を見た。終電の時間が近づいていた。俺は男に『あ、すいません。終電の時間があるので、俺はこのへんで。あ、本当にありがとうございました』と言い深々と頭を下げた。『いえいえ、人として当たり前のことをしたまでですよ』と男は言った。俺はこの場を後にした。俺がいなくなると男は辺りを見回し、人がいないことを確認すると俺が吐いた吐瀉物に犬のように顔を突っ込んで口にかき込んでううううううーーーーうまーーーーーーーーーーいいいい!!と男は言った。

恍惚の表情でまき散らかされた吐瀉物を貪り食う男の姿があった。