洗体戦隊

クソ大学生の日々の日記

雨。しとしとの雨。俺は結婚式が始まるのを待っていた。従兄弟の結婚式。死ぬほどどうでも良い。全然仲良くねえし。一人で式場のあたりをぶらつく。コンビニに入り適当に立ち読み。このままマジで帰りたい。

そろそろ時間だ。俺は会場に向かう。会場は和式の広間でお互いの親族が入り乱れる。俺は特段話す相手がいない。親父もお袋も見当たらねえし。

一人で漫然としていると叔父に話かけられる。はっきり言ってむかつく奴だ。何かと俺のことをいじってくるというか茶化してくるというか。

俺以外にもそういう態度のようで絶えず人のことを小馬鹿にして精神的優位に立たないと正気を保っていられないカス野郎だ。俺はコイツに認められたい。いや、こういうとなんか良い意味で捉えられるな。

違う。コイツの鼻っ面を明かしてやりたいが正しいか。あれ?同じような意味か?

叔父が話しかけてくる。

「おう、就職どうだ?」

「あ、僕文章書いていこう思ってます。だからそっちの方面で考えてます。ちょっと僕の文章見てくれませんか」

そう言って懐から折りたたまれた紙を手渡す。短編のようなものだ。こいつに俺の文才を認めさせてやる。

叔父は無言で受け取り冷めた視線で読む。

「ふーん。文書で食っていくのはきついぞ?」

「わかっていますよ。でもやりたいんです」

「俺の会社の若い奴にも滅茶苦茶文章が上手い奴がいてな。どっかの文学部卒で。國學院大學だったかな。でもどこも入れなかったんだわ」

「そうですか。僕はコピーライターになろうと思ってます。小さいところとか狙おうと思ってます」

「ははは。無理無理。まず講座とか通わなきゃ」

「わかってますよ。通うつもりです」

「あ、俺写真撮るために行くわ」

叔父はそう言って立ち去った。

暫くして結婚式が始まるというので皆が外に出される。

赤い絨毯の両脇に親族たちが整列。

新郎新婦が歩いてくる。

皆が写真を撮りまくる。

糞どうでも良い。早く終われとしか思えない。

続いて新郎新婦が神社の中で婚姻の儀のようなものをする。

それが終わると披露宴で場所移動。瀟洒なホテルに到着。

準備が整い、披露宴開始。

新郎新婦どっちも華やかな業界にいるだけ(新郎新婦共にがヘアーデザイナー)に集まった面々も皆華やか。

うぜえ。ひたすらにうぜえ。

新郎新婦の小さい頃とかの動画や写真がスクリーンに映し出される。

皆の楽しそうな顔が本当に腹が立つ。帰りてえ。

同じ席の父親に注意される。もっと楽しそうな顔をしろ。できるかよ。馬鹿。

社会人三年目くらいの従兄弟に就活はどうするのかと聞かれる。

文章を書いていきたいのでそっちに方面に進もうと考えていると答える。

そこで叔父が入ってくる。

「厳しいって言ってんだろ。普通にサラリーマンやっとけ」

マジで不愉快。手前にそんなこと言われる筋合いはねえんだよ。ボケ。

「ていうか、留年してるくせに選り好みしてんじゃねえよ」

クソッタレが。

「どうせ、どこにも入れねえんだからよ。俺の会社来るか?融通きかしてやるぞ?ああ。今年はもうとらねんだわ。」

 

俺は隣の席の叔父の頬に右手で持っていたナイフを突き刺す。頬を貫通し歯茎にあたる感触が伝わる。引き抜くと鮮血が噴き出す。続け様に左手でフォークを眼球に突き刺す。ぐにゅりという少し硬いゼリーのような感触。少し遅れて叫びだす叔父。そのまま叔父を蹴り飛ばす。誰かが後ろから羽交い絞めにしてくる。おい!誰かそいつを捕まえろ!俺はそいつの脇腹に肘鉄を食らわし逃れ素早く反転しそいつの顎を蹴り上げる。横からさらに男が飛びかかってくる。寸でのところでそれをかわし懐から取り出したコンバットナイフをそいつの背中に突き立てる。埒が明かない。次から次へと男たちが飛びかかってくる。かわし切れず殴り倒される。次々と男たちがのしかかってくる。クソがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。

 

 

 

 

 

 

「いやあ。まあ僕なりに頑張ってみますよ。ははは」

現実はこうだ。