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洗体戦隊

クソ大学生の日々の日記

赤羽2

俺は公園のベンチに座り弛んでいた。四方を郵便局、高層マンション、大型スーパー、百貨店に囲まれた公園だ。公園の中央には噴水がある。さらに噴水の中央には少年が馬にまたがった銅像がある。俺の隣のベンチからペチャクチャと不快な音がした。小汚い恰好をした老婆が冴えない表情で弁当を食っている。

その隣のベンチではこれまた小汚い老人が競馬新聞を一心に読んでいる。周りを見渡せば公園にいる者たちは誰も彼も皆一様に覇気というか生気というものを感じられない。何かを諦めたような雰囲気を醸し出している。公園は厭世感に包まれていた。

かく言う俺もそのような雰囲気を発している一人に違いない。自分でも一切の情熱を感じられないような顔をしていることがわかる。俺は今年大学を卒業できなかった。級友たちが皆社会に旅だっていってる中俺だけモラトリアムの海をプカプカ浮いている。

かといって何もするやる気が起きない。この逆境をはねのけ留年したことを強みに変えられるべきことをしなければならないとは頭では理解しているが一切行動に移していない。

その時、ぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあん。発砲音のようなものが公園に響き渡った。ぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあん。見ると寝巻姿の若い男が鳩の群れに向かってエアーガンを打っている。ぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあん。注意する者は誰もない。この公園内にそんな熱を持った人間がいるわけがない。俺は男と目が合った。男の目から諦めと焦燥が感じ取れた。ぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあん。男はエアーガンを打つのを止めない。俺ももしかしたら近い将来あの男と同じように奇行に走るかもしれない。今の自分の閉塞感に心が耐えきれなくなって。ぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあんぱあん。

そう思うと怖ろしくなり俺は男のエアーガンの発砲音を背に公園を後にした。家に着きベッドにごろんと横になり蛍光灯の灯りを見ながら考える。俺はこれから先何をすべきか。何ができるのか。どこへいけるというのか。答えは出ない。しかし俺は探し続けなければならない。これから先も。

俺はプレステ2に興じ始めた。先ほどのあれほど自分のこれからについて悶々としていたのが馬鹿らしくなる。先ほどのまでの考えが馬鹿らしくなる。どうでもいいじゃん。人生なんてなるようにしかならねえし。俺は誰にともなく呟きまたゲームに興じ始めた。人は変われない。これ必然。