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洗体戦隊

クソ大学生の日々の日記

飴玉。雨だま。あめだま。アメダマ。

某コンビニのイートインコーナーでお茶を飲んでいると、横にいる老婆の顔が尋常でないほど青ざめていた。両手で首元を抑えながら「カハッカハッ」とも言っている。どうやら何か食べ物を喉に詰まらせて呼吸困難になっているらしかった。時間がない。僕はうねりをつけて老婆の背中を強く何度も叩いた。

しかし努力虚しく老婆は白目をひん剝いてカニのように泡を吹きながら全身でビクンビクンと痙攣している。その姿はまるで打ち上げられたエビのようでもあり、カニのように泡も吹くし、お前はカニとエビのキメラかよとツッコミたかったかれど緊急時なので耐えた。

刻一刻と老婆の命のタイムリミットは迫っている。タイムリミットと言えば、2 4のジャックバウアーだ。僕は迫りくるタイムリミットの中でミッションをコンプリートするジャックバウアーになったつもりで老婆の背中をさらに力を超めて何度も叩いた。

しかしまだ老婆の喉に詰まっている物は出ない。「クソゥーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」僕はジャックバウワーのように吠えた。僕は最終手段に出ることにした。さっきから僕は利き手の右手の平でしか老婆の背中を叩いてない。

これでは若干のタイムロスが出る。時間がもったいない。そこで僕は両手で老婆の背中を叩くことにした。僕はこれでもボンゴを学生時代にちょっとかじっていた。両の手で叩くことには慣れているので力も分散しない。ちなみにボンゴとは、手で叩く太鼓のような楽器のことだ。

僕は老婆の背中を両手で強く叩く。良い感じだ。すると脳が勝手に老婆の背中をボンゴに見立ていた。体も勝手にリズムを刻み出した。バンバンバンバンッ バンバンバンバンッ(背中を叩く音) ア イエァッ! バンバンバンバンッ イエァッ! 自然と声も出ていた。

バンバンバンバンバンバンッ イエァ! 僕の老婆の背中を叩く音に呼応するように周りにいた見物人たちも全身でリズムを取り始めた。店が、人々が一体となり心地よいリズムを刻んでいた。バンバンバンバンバンバンバンバンッ イヤハァッ バンバンバンバンバンバンバンバンッ。イエハァッ!!!!

ここはもうコンビニではなくなっていた。アフリカのどこかの原住民たちの宴となっていた。目を閉じればサバンナの夜の満天の星が輝いている。僕はこのリズムが、宴がいつまでも続けば良いと心の底から願った。(老婆は無事救急隊員によって救助されて命に別状はありませんでした)