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洗体戦隊

クソ大学生の日々の日記

道なりへ~アビーロード~

新大久保から西武新宿駅にかけての線路横の道を歩いていた。左手にはコリアンタウンが広がっている。この道は多くの若者が新大久保と新宿の行き来に利用しているようだ。僕のその中の一人に過ぎない。しばらく道なりに歩いていると左手に道を折れたところのラブホテルから男女が出てきた。男のほうは首をコクンとだけして別れの挨拶のようなものをして、女のほうは営業用といった笑顔を顔に張り付かせながら右手を元気よく振り、二人は逆方向に散っていった。恐らくあの男が女を買ったのだ。あの女は娼婦なのだろう。

 

 

女ほうは20代中盤で小柄で美人とまでは言えないまでも丸顔でとても愛嬌がある顔で黒いもこもことした長いコートを着ていた。そして着衣の上からでも一目でわかるほどの豊かな乳房をしていた。僕は大のおっぱい星人なのだ。僕は即座に女の後を五メートル程の等間隔を保ちながらつけた。法律は触れていない。ただ後をつけているだけだ。僕は街中で気になった女の後を自分が納得いくところまでつける癖のようなものがあるのだ。

 

 

女はしばらく道なりに歩くと右手に現れたかなり古びた雑多ビルとアパートのハーフのようなもの吸い込まれていった。ここにあの女が住んでいるのだろうか。とても若い女が住む場所とも思えなかった。もしかするとあそこから女は派遣されたのかもしれない。あそこの一角に売春婦の元締めのようなものがあるのかもしれない。幸い僕のポッケットには八万が入っている。これくらいあればあの女を僕も買えるかもしれない。

 

 

 

しばらく僕は再び女が出てくるのを待つことにした。煙草に火をつけ紫煙をくゆらせながらさっきの女のことを考えた。いや正確にはあの女のロケットおっぱいのことを考えた。するとスマホの着信音が鳴った。見てみると母親からだった。なんでよりに寄ってこんなタイミングなんだろう。電話は13コール鳴っても止まらなかった。思えば僕はこの四年間盆と正月すら帰っていない。母親からすれば東京で暮らしている一人息子が心配で堪らないのかもしれない。

 

 

 

これはもしかすると神からの啓示なのかもしれない。こんなアホなことをやめろと。八万をそんなことに使うな、実りあることに使えとのメッセージなのかもしれない。母親からの着信は26コールに入っても止まらなかった。僕はまだ迷っていた。今ここで電話に出たら、間違いなく僕はあの巨乳の女への執念が薄れてしまう気がした。緊張の糸がちぎれてしまう気がしたのだ。なんといったっていきなり女に金を払うからセックスをさせてくれと頼むのだ。しかもそれが売春婦であるとの確かな確証はない。あるのは淡い期待だけだ。

 

 

 

そんな危険なことを今からしようというのだ。この臨戦態勢を母親の電話でとぎらせることはできない。しばらくすると先ほどの女と男が出てきた。男のほうは見るからに堅気じゃない。周囲を警戒する目つきが鋭すぎるのだ。男がもしかすると売春婦の管理人のようなものだろうか。この状態で話かけるなんて勇気は僕はこれっぽちも持ち合わせていなかった。僕は諦め、元来た道を引き返した。まだ鳴り続けていた母親からの着信に出ると話の内容は父方の祖父が死んだのですぐに帰ってこいとのことだった。優しい祖父の顔を思い出し涙が止まらなかった。すると目の前から背の高いムチムチと肉付きの良い巨乳の女が現れた。僕はすかさず五メートル程の等間隔を保ちながら後をつけた。