洗体戦隊

クソ大学生の日々の日記

働く男

三月いっぱいまでの短期アルバイトを始めた。ラブホテルの清掃のアルバイトだ。使用された部屋のベッドと枕のカバーを変えて、ジュースやコンドームが無くなっていたら補填するのが主な仕事だ。単純作業ではあるので一度覚えたら楽な仕事ではあるが使用済みコンドームや血などを見る羽目になるのでそういった意味では大変な仕事なのかもしれない。

 

接客ではないのでお客に愛想を振りまく必要がないし、会話も必要最低限なもので済むので寡黙な僕には天職なのかもしれない。職場の仲間は風変わりな人が多い気がする。

 

元新聞拡張員にホスト、テキ屋の兄ちゃん、売れないバンドマンに芸人といった多士済々のメンツがそろっている。中でも元新聞拡張員のSさんには特別良くしてもらっている。Sさんはパンチパーマに強面という近寄りがたい雰囲気を放っているが仕事でわからないところを丁寧に教えてくれるし、仕事中は常に全力な熱血漢だ。

 

僕が使用済みコンドームを見るのに嫌気がさしていると、Sさんは「自分の仕事に誇りを持てない奴は負け犬だ」言い放ち使用済みコンドームを素手で掴み取りダストボックスにぶち込んだ。Sさんらしい含蓄のある言葉だった。このアルバイトを通して職業に貴賤はないということを身を持って体験することができた。

 

総理大臣と掃除のおばちゃんを秤にかけたとしても水平さは保たれたままなのだ。