電車の中で
「電車の中で」
僕の目の前にいる最愛の彼女は、優先席に深く座り視線を自らの太ももに落とし込みどんな身体障害者や妊婦が来たって席を譲る気がないことは誰の目から見ても明らかだ。
クズだ。
僕の右隣にいる小汚い恰好をした白髪交じりの初老の女は電車内だというのに甲高い声でペチャクチャと電話をしている。
本来であるならば、その女くらいの年の人間は若者の見本となるような行動をとるべきだ。
しかし、まともな教育を受けていないせいなのかその女からは一切の教養を感じ取ることができない。
こうしている間にも猿のような甲高い声で電話をしている。
この女はただ無駄に齢を重ねただけの齢女なのだ。
クズだ。
後ろからはおそらくヘッドフォンからの音漏れであろうJポップが騒々しく響いてくる。
本人は気づいていないのだろうか。
ちらと後ろを見て確認すると大学生の男が首を音楽に合わせて上下に動かしている。
クズだ。
僕は左隣の抜群のプロポーションを誇るモデル風の女の服の上からでもはっきりとわかる二つの巨丘を凝視している。
そのたわわに実った二つの果実を見て、電車という公共空間にも関わらず僕の男根はたくましいモノになる。
ジーンズの前は固く持ち上がっている。
そのモデル風の女が僕の不自然に隆起したふくらみに気づいたようでまるで汚物を見るような目で一歩また一歩を後ずさっていく。
しかし僕の男根はますます大きく固くなっていく。
クズだ。
まごうことなきクズだ。
正真正銘のクズだ。
みんなクズでみんな良い。
追記
フィクションです。電車内でそうなってません。