洗体戦隊

クソ大学生の日々の日記

ホラー小説 その参

俺は図書館を出た足で東池袋中央公園に行った。猫を触るためだ。

 

俺はこう見えても大の猫好きだ。道端に猫がいたら絶対触るし猫カフェにも行く。大きくて真ん丸のビー玉みたいにキラキラ光る目、ピンク色のぷにぷにの肉球、触るとどこまでも沈みこみそうな柔らかい腹、軟体動物みたいなしなやかな体。全部全部好きだ。

 

しかし俺の住むマンションはペット禁止だから飼うことができない。金もないしな。だからこうして機を見て多くの猫が集う東池袋公園に訪れるわけだ。

 

しかし今日、訪れてみれば猫たちは一人の男が独占していた。冴えない恰好の男が猫たちを自らの周囲に集めている。二匹の猫が男の胡坐をかいた足の上に、両サイドに一匹ずつ。さらに周囲にちらほらと。

 

なぜ猫たちが男の周りに集まっているかがわかった。後ろに置いてあるバッグの半開きのチャックから見える大量のキャットフード。重ねられた安っぽいプラスチックの小皿。猫たちに餌を与え懐柔したのだろう。

 

それは別に良い。しかしああやって猫たちを独占することはおかしいだろう。皆が猫を触りたいはずだ。あんな感じでは遠慮して近づけないだろ。普段の猫たちは各々好きな場所で寝っ転がってたりじゃれ合っていて公園に訪れる者が好きに触れる。

 

俺は我慢の限界だった。

 

俺は落ちていた金属バットを手に取り、後ろから力の限り男の頭に振り下ろす。ゴギンッという鈍い音。猫たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ去る。続け様に男の横っ面に全力フルスウィング。迸る鮮血。呻きながら蹲る男。俺は幾度となくバットを振り下ろす。男の頭がぱっかり割れ白い豆腐みたいなものが出てきたところで止める。

 

ふと顔を上げ周りを見渡すと皆が俺を英雄を見るかのような目で見ている。どこからか鳴る拍手。パチパチパチパチ。次第に大きくなる拍手。パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!

鳴り止まない賞賛。賞賛の嵐。

 

俺を猫を触ることなど忘れ公園を後にした。尤も覚えていたとしても猫たちは俺を怖がり触れさせてもらえかったかもしれないが。

 

俺はそのまま公園の横にあるサンシャインシティに入った。休日ということもあり中はかなりの人だった。

 

適当に中をぶらつく。人。人。人。人。若いカップルに子連れの親子。小学生、中学生、高校生、大学生。大人。

 

俺は異変に気が付いた。皆が俺を見る目がおかしい。先ほどの公園での英雄視する視線とは対局のものというか。明らかに批難するようなまなざし。どうなっているのだ。

 

先ほどの公園での行為がここではただの残虐な行為だと受け止められているのか。俺はここではただの犯罪者ということか。

 

先ほどから俺の周りをじりじりと人が囲んできている。俺をどうするつもりなんだ。こいつらは俺をどうするつもりなんだ。俺はこの場で公開処刑でもされるのだろうか。

この人数相手に敵うわけがない。ざっと見ただけで俺をじりじりと取り囲んできている連中は四十はいる。

 

しかしただ黙ってやられるのも癪だ。ならばこっちから仕掛けてやる。一人でも多くの奴を殺してやる。

 

そう決意して俺は金属バットを一番近くにいた女の顔面めがけフルスウィングした。

 

拝啓 おふくろへ

 

久しぶりに会いたいです。飯とか一緒に食べたいです。

 

離れてみて親のありがたみがわかりました。飯とか洗濯とか掃除とか自分でやってみていかに大変かということが身に染みてわかりました。

 

働きながらこれをこなしていたおふくろには本当に脱帽です。

 

ではまたお手紙書きます。

 

 

結局、ナツキとのセックスで一回もイけなかったなあ。絶対途中で中折れしちゃうんだよ。どうしてだろう。イかなきゃイかなきゃって思うほど萎んでいくんだよ。だから毎回自分でしごいてイくときはナツキの口の中に出してたなあ。あれ、すんげえ気持ち良いのよ。イクイクイクイクッってなったらナツキがパクッて咥えてくれんのよ。そんで俺はナツキの頭に手を置いてドピュドピュドピュッだよ。

 

それにしてもナツキのフェラチオ滅茶苦茶気持ち良かったなあ。ナツキ、フェラ滅茶苦茶上手いんだよ。俺、包茎なんだけどさ、綺麗に口の中で舌を回しながら皮を剥いていくんだよ。ローリングフェラっつうの?裏筋の責めとかも絶妙だったなあ。でもあれだ。あれが出来てなかったんだよ。首を前後に動かすやつ。ピストンピストン。別れる前に仕込んでおけば良かったなあ。マジで後悔。あとあれだ。手コキ。手コキも下手くそだったんだよな。ただゴシゴシ力の限りしごいてるだけ。もうなんか痛いっての。もっと強弱つけなきゃ気持ち良くないよね。あ、あとあれだ。イマラチオ。なんか可哀想で全然やらなかった。もったいねえよな。もっとガンガン腰振ってチンコ突っ込んでごぼごぼ言わせてやれば良かったよ。

 

 

 

 

絶対もう離さない。

 

うん。

 

ずっと俺の傍にいてくれ。

 

うん。ずっと一緒にいる。

 

俺たちはずっと一緒だ。

 

ねえ。どれくらい私のこと好き?

 

お前のためなら例え火の中、水の中ってやつさ。

 

なにそれ。ふふふ。

 

タッタッタッタッタッタッ。ブオン。ガキン。

 

ぶふふううっ。

 

ゴキンッ。ボゴッ。ゴギンッ。ビシャッ。ビシャッ。

 

ちょっと、なにしてんのよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?誰か、誰かーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

 

ブオンッ。ゴキン。ゴキン。

 

げぶう。ごぶう。ビシャ。ビシャ。

 

タッタッタッタッタッタッ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホラー小説 その弐

俺はフジタが許せない。あのエレベーターでの所業。人間の心を持っているのならできるわけがない。奴は悪魔だ。人間の皮を被った悪魔なのだ。なんだって何の罪もない母子に暴力を振るうことでできるのだ。奴に然るべき裁きを与えなければならない。しかしどうやって。警察に突き出せば良いのだろうか。いや、奴のことだから口八丁手八丁で上手く逃れるに違いない。おそらくあの脂ぎった中年の男に全てひっかぶせるのだろう。ダメだダメだ。それではダメなのだ。警察に突き出すのは得策ではない。半グレでも使って襲わせるか。いやいっそのこと俺が。そうだ。俺が直接奴を裁こう。それがせめてもの情けというものだ。

 

俺とフジタは大学の同期だった。同じサークルにも入り共に青春を謳歌した。サークルは警音サークルでフジタがボーカルで俺がギター。俺たちのバンドは大学内外でも有名だった。それくらい俺たちのバンドはレベルが高かった。

 

もちろん一番人気はボーカルのフジタだった。そこに俺も含め他のメンバーも異存はなかった。奴のルックス・歌唱力・パフォーマンス。全てがプロレベルだった。おまけに当時の奴は性格も頗る良かった。遊び、サークルにのめり込みすぎて勉学がさっぱりだったがそれはご愛敬だろう。

 

それがいつしかフジタが歪んでいった。理由は奴がゲイに目覚めたからだ。それまでは奴は大の女好きだった。人気があった奴は女を抱きたい放題だった。だのに何故か突然女を抱けなくなった。突然にだ。

 

極上の女を前にしても一切興奮しなくなる。しかし筋肉モリモリの男を見ると前屈みになった。これはフジタを大いに苦しめた。この俺がホモになる。そう考えるだけでフジタは目の前が真っ暗になったことだろう。世間からの目。人気者のフジタが突如ゲイとの告白。容姿が良いフジタはそっちの世界でもおそらくそこそこ人気が出るはずだがそんなことはどうでも良かったに違いない。

 

これを機にフジタはありとあらゆるものを憎むことになった。単なる八つ当たりである。しかし少しは同情に値するだろう。突然、自分の性の対象が変われば誰だって恐慌状態に陥り自棄になるに違いない。それはある程度は仕方がないことなのだろう。しかし奴の場合は他人を巻き込む自棄の起こし方だった。これは当然看過されるべきことではない。

 

それ以来フジタは気に入らないことがあればすぐに暴力を行使するようになった。あのエレベーターでの所業のように。そして俺と奴の友情関係は終わった。

 

俺は四階の図書館に入った。雑誌コーナーから旅行誌を取り出し、備え付けのふかふかの座り心地抜群のソファに座り読む。実に良い気分だ。落ち着く。何何、京都特集だって。俺はこう見えても京都が大好きだ。神社仏閣にわびさび。京都最高!行ったことないけど。

 

俺が良い気分で雑誌を読んでいると後ろの席から汚らしい咳の音が聞こえた。ごほっがぼっゴホゴホぉぉオォオノオオオォォォ-おおおおおおおおおおおおおおおおお。何だ。これは。後ろを振り返るとうねうねと曲がりきった髪の中年の女だった。

 

ゴホゴホゴホゴホゥうううううゥがほがほがほおおおおおおおおおおおおおおおおゥ宇うゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?!?!?!?

 

俺は我慢の限界だった。

 

おい、婆さん。気色が悪い咳してんじゃあねえぞ・・・・・・・・・・・・・・・・。俺はゆらりと立ち上がり戦闘態勢に入った。ぶちのめす。この腐れ婆を完膚なきまでにぶちのめす。そう決意した瞬間婆さんが口を開いた。

 

ホモについてどう思う?

 

は?

 

だからホモについてどう思う?

 

なんなんだよ。突然。意味がわからねえよ。頭湧いてんのか?婆さん。

 

いやいや。ほら、最近テレビでちょっとホモのことをネタにするようなことがあるとすーぐにホモの対して差別だーみたいな空気があるじゃない。

 

ああ。確かに。あるな。

 

それが納得いかないのよねーー。あたしは。昔からしょっちゅうネタにされてたじゃない。おねえキャラだって。馬鹿にされてきてキャラとして確立したわけでしょ。それを何をいまさらって感じー。

 

じゃあ、婆さんはホモが馬鹿にいくらネタにされたって、馬鹿にさてたって、良いというのかよ。

 

そりゃ、そうでしょ。馬鹿にされる存在なわけじゃない。いや、勘違いしないでね。別に昔の穢多非人みたいに差別したいってわけじゃないのよ。ただオカマかっとかホモかっみたいなつっこみも禁止にされるようじゃつまんないと思ってるのよ。

 

じゃあ、なんだ。ホモはお茶の間にエンターテインメントを提供し続けないといけないというのか。婆さんよお。あんたがもしホモの立場だったどうすんだよ。同じように馬鹿にされて嬉しいのかよ。

 

あんた、ちょっとさっきからなんなの。なんでホモの肩ばっかり持つのよ。もしかしてあんた。

 

俺は我慢の限界だった。いつもならここで婆さんのぐちゃぐちゃにする。ただの肉の塊にする。しかしここで俺はキレるわけにはいかなった。なぜならこの場でキレるということは俺がホモであると肯定するようなものだからだ。こんな公衆の面前で自らをホモであると宣言したくなどない。

 

結局の所、俺の中でもホモ=恥じだという認識なのだ。だってそうだろう。気持ちが悪いじゃないか。男が男を好きって。男同士でヤるんだぜ?お互いのちんぽこ舐め合うんだぜ?ケツにちんぽこぶっさすんだぜ?それであああああううううあうあうあうあうあうあうああうあうああああ!!!!!!とか野太い声で喘ぐんだぜ。気持ち悪いったらありゃしねえ。まあそれもそのうちの一人なんだけどさ。でも日本ではまだまだホモへの偏見は根強く残っている。そんな中で自分はホモだと言ってみろ。周囲からの奇異・侮蔑の視線が俺を襲う。俺はそれに耐えられない。なぜなら俺は人気者なのだから。イケメンで歌が上手くてパフォーマンスにも定評がある人気バンドのボーカルだったのだから。どんな女だって抱けたのだから。二重の意味でな。

 

 

 

拝啓 お袋へ

 

お元気ですか?俺は元気です。

 

そろそろ就職のことを考えなければいけない時期です。

 

俺はそっちに戻ろうと思っています。やっぱり家族が一緒にいることが一番だと思います。

 

昔からの仲間も大勢いるし、穏やかな日々を過ごせることと思います。

 

では就活解禁日になったらそっちで就活を始めるので、その時に会いましょう。

 

 

 

じゃあな。婆さん。あんたとは一生分かり合えそうにねえな。

 

俺は図書館を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホラー小説 その壱

乗り込んだエレベーターの手前右側には垢抜けない恰好のキャリーケースを引いたアトピー顔の女が、左側には若い母親と女児が、奥の左側には年老いた夫婦が、中央には俺と短髪のスポーツをやっていそうな若い男がいた。

 

俺はイライラしていた。女児が母親とエレベーターに乗る、乗らないで揉めたため暫くの間、ドアを閉めずに待つことになったのだ。俺は傍迷惑な親子のことなど無視して目的の階まで速やかに行きたかったがアトピー顔の女が律義にも「開く」ボタンを押しっぱなしにした。だから俺は傍迷惑な親子にも腹が立っていたがこのアトピー顔の女にも腹が立っていた。

 

薄ら汚い恰好の冴えない髪型のアトピー顔の女。気持ちが悪い。死ねよ。早く死ね。

 

女児が母親にじゃれつき始めた。おかーさん、ねー、おかーさんー。甘い物食べたいー。さっきアイス食べたばっかでしょ。我慢しなさい。やだー。食べたいのー!もっと甘い物食べたいのー!

 

次第に女児の声と身振り手振りが大きくなる。静まり返ったエレベーター内に小さい子供特有の甲高い声が響く。

 

俺は我慢の限界だった。

 

足を思い切り振りかぶって女児の頭部に蹴りを入れる。ぶぎゃと言い放ち女児は壁に激しく打ち付けられる。素早く続けざまに床にのびた女児の顔面を思い切り踏みつける。幾度となく踏みつける。女児の顔が陥没していく。血も噴き出す。

 

オラオラオラァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!

 

俺の突然の暴力に茫然としていた母親が正気を取り戻したようで急に俺を突飛ばそうと体当たりをしてくる。馬鹿だねえ。通じるわけないのにねえ。

 

俺は母親の顎を思い切り蹴り上げる。母親の口から血が噴き出す。さらにもう一発腹に蹴りを入れると母親は完全にのびた。

 

奥の左側にいた年老いた夫婦の嫁のほうが大声で狂ったように笑いだす。アヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャッアヒャーーーーーー!!!おいお前、何を笑っているんだ!こんな光景のどこがおかしいんだ!だ、だってあなた映画みたいなんですもの・・・・・・・・・・・・。アヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャーーーーーッ!おいっ!笑うな!笑うんじゃない!映画なんかじゃないんだぞ!

 

その時、突然俺は吹き飛ばされドアに激しく叩き付けられた。

 

俺の隣にいた若い男に思い切り背中に飛び蹴りを食らったのだ。お前はーーーーーー!お前はーーーーーーーーーーー!なんてことを!なんてことをーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!男は続けてさらに蹴りを入れてくる。

 

しかし俺は気づいていた。男が義憤に駆られて俺を攻撃しているわけではないことを。現に男は笑っているのだ。男はただ暴力を行使したいだけなのだ。最高の大義名分を手に入れたわけだ。悪を懲らしめるためという。

 

アトピー顔の女はただ震えている。

 

ドアが開いた。

 

四階。全員の目的の図書館だ。

 

男は俺を蹴るのをやめエレベーターが出る。続いて年老いた夫婦。まだ妻は笑っている。そしてアトピー顔の女が出る。最後に俺だ。

 

母親と女児は放っておく。

 

俺は母親と女児の血に足を取られないように気を付きながら出た。

 

エレベーターは閉まり一階に戻っていく。ススススーっと。

 

あの親子はどうなるのだろう。後日談として二人は一階について乗り込んできた脂ぎった中年の男に犯されたそうだ。卑劣とも言える行為だが世知辛いこの世の中では仕方がないことだろう。抵抗しない者を食い物にするのは自然界の掟だ。

 

ぶはあぶはあぶはあぶはあぶひひーーーー!親子丼だーーーーーーー!ぶひひーーーーーーーーーーーーーーー!ビリビリビリビリビリビリーー!パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!!!

 

イクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッイクッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

 

ドピュッドピュッドピュッドピュッドピュッドピュッドピュッドピュッドピュッドピュッドピュッドピュッ。

 

ハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハア・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

林檎

日曜日にサンシャインシティに行った。

休日だからだろうが人が大挙しておりまさにすし詰め状態だった。

家族で来ている者、仲間と来ている者、恋人と来ている者、皆が一様に楽し気で浮かない顔をしている人間なんてこの世界に自分一人だけのように錯覚しそうになった。

まるで深海を一人で彷徨っているかのような気分だった。

特設ステージでは沖縄出身らしい歌手が開放的な歌を歌っていたが、今の僕にはこれっぽちも響くことはなかった。

逆にポジティブな気持ちを押し付けられているようで不快だった。

今の僕にはもっと優しい歌が必要だと思った。

ありのままでいいとダメな僕を肯定してくれるような、そんな歌ならもっと聞きたいと思った。

僕は就活も上手くいかず、大学を卒業する見込みも立っていなかった。

これっぽっちも未来に希望なんて描くことが出来なかった。

 

 

ふらりとサンシャインシティ内の若い女性向けの服屋に入った。

店外での店員による商品全て半額だと呼び込みのせいか店内は若い女でごった返していた。

店内での男は僕だけだったが誰も気に留めていない。

僕は噛んでいたガムを適当に手に取ったTシャツの裏に引っ付けて店を出た。

歩きながら誰かが、僕がひっつけたガムを見て驚愕し怒り出す光景を想像すると幾分気持ちが晴れた。

 

 

といれ

僕にとって排泄という行為は体内で精製された不純物を排出するという意味だけではない。

 

僕にとって排泄はある種のエクスタシーを感じることができる行為なのだ。

 

僕は排泄をすることで体内で精製された不純物だけでなく、妬みや憎しみや怒りといった負の感情までも排出している。

 

この時、僕と世界の境界線はなくなる。僕が世界になり、世界が僕になり、

 

僕の非僕は世界で、世界の非世界は僕になり、

 

僕のメタファーは世界になり、世界のメタファーは僕になるのだ。

 

そして全ての醜悪な負の感情を出し切り、悟りを開いた仏と同じ精神のステージに立つことで僕を狂おしいほどの圧倒的全能感・陶酔感が襲い掛かる。

 

全ての負の感情を捨て去った僕は最早人間ではない。

 

この時、僕はこの世界のキリストや仏、アッラーと同等の神となるのだ。

 

しかし、この状態は長くは続かない。

 

また体内の不純物が溜まると同時にあらゆる負の感情も溜まっていく。

 

それに従い僕も天界から下界へと精神のステージを下げていく。

 

そして、また次の排泄時に神となるのだ。

 

 

 

中二病の人になりきってうんちとおしっこのことを書いてみました(笑)

 

 

 

 

 

 

特権的官能ブログ

朝、俺は大学に向かう前に風呂場でひとつ前の彼女を妄想の種にしながらオナニーに励んでいた。俺は嫌がる彼女の口に勃起したペニスをねじ込み、彼女の頭を鷲掴みにして前後に激しく動かす。ペニスが喉深くまで入り込み何度もえづく彼女。やめてくれとの合図なのか何度も俺の尻を叩いている。俺は気にせず彼女の頭を鷲掴みにして前後に動かし続ける。彼女はなぜあんなにも苦しそうな表情を浮かべているのだろうか。まるで物のように扱われて悔しいからだろうか。それとも単に喉深くまでペニスをねじ込まれて苦しいからだろうか。あるいはその両方か。しばらくすると下腹部に血が集まり何かが勢いよく上がってくる。俺は彼女の口の中に勢いよく射精した。果てしないオルガスムが俺を襲う。彼女は両手を先ほどまで俺の尻をヒステリックに叩いていたのが嘘のようにだらんと放り出している。俺は妄想の中での射精と同じタイミングで射精した。ペニスから勢いよく吐き出された精液は風呂場に壁に付着しなめくじのようなスピードで下に落ちていく。俺の全身に虚脱感が覆い被さる。出し抜けに先程止めたはずの居間にある目覚まし時計がけたたましく鳴りだす。止めにいかなくてはならないが体が動かない。俺はその場にへたり込み目を閉じた。目覚ましがけたたましく鳴り響いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

kっくtf

今、僕は大学五年生だ。いっしょに入学した仲間はとっくに社会に巣立っている。大学五年で一番つらいことは仲間がいないことだ。飯を食う仲間もいなければ、空きコマに語り合う仲間もいない。周りが楽し気にしているだけ余計に孤独感に苛まれる。

 

まあこれは僕個人に言えることなのかもしれない。サークルやゼミなどに所属している人は仲が良い後輩がいるだろう。しかし僕は何にも所属していない。そういった学生生活を送ってきた僕のような人間はおそらく大学五年になってしまうと確実に独りぼっちになる。一緒に入学した奴らぐらいしか接点を持っていないからだ。

 

大学は開放的孤独で、小・中・高までは閉鎖的孤独だと思う。つまり大学は孤独でいることが周りにあまり知られないということだ。例えるならば都会の雑踏で一人でいたとしても誰も気にしない。それと同じことだ。小・中・高は逆だ。しかし先にあげた辛いということから矛盾するが、現代人には今の僕のような開放的孤独を味わう一定の時間が必要なのではないかと思う。閉鎖的孤独はちょっと厳しすぎると思う。社会的動物である人間にとってはグループに所属しないことは本能的に恥ずべきことと刷り込まれている。それが周りに露呈されるなんてことははっきり言ってこの世のどんなことよりも耐え難いんじゃないかと思う。グループに所属しないことがいじめに温床になっていることは言わずもがなだ。だから開放的孤独がちょうどいい。

 

この開放的孤独は自分と対話の時間となる。現代人は本当に様々な情報が心身になだれ込んでくる。SNSで他人といつ何時でも繋がれる。故に自分との対話の時間が持てない。自分のとの対話の時間が持てないと自分の本当にやりたいこと・求めていることなどがわからないんじゃないか。流れの早い川の中であっぷあっぷしている感じといえばいいだろうか。そんな状態では特に大学生活という折角の社会に出る前の最後の自我の形成期間としての意味がが損なわれるのではないか。

 

だから僕たち大学生は進んで開放的孤独を享受するべきなのではないか。と思うのだがこれはやっぱりぼっち生活を肯定するためにひねり出した論理として受け取られるのだろうか。それが心配だ。まあそうなんだけどね。